「漢字の読みがなかなか定着しないので、おひさまで勉強してほしい」
という依頼から、漢字の読みを課題として取り組むことがあります。
そこでよくぶつかる壁が、そもそも言葉の意味が分かっていないということです。
例えば、『名』という漢字の読みを勉強する際、『名前』は読めても『名字』や『名人』が読めない子がいます。読めないだけならいいですが、そもそも”名字”や”名人”が何か分からない子が案外多いです。
実際に授業でも、「名字(みょうじ)って何か知ってる?」と尋ねると「え、分からん」と返ってくることがよくありました。私たち大人からすると「”名字”なんて日常でよく使う言葉だし、知らないことなんてあるの?ふざけて答えてるの?」と思ってしまいますが、その子は本当に”名字”が何か分からないようでした。
”名字”が何か分からなければ、読み方を一生懸命教えたところでなかなか身に付きません。
以下のようなテキストを使って学習する際、答えが合っていたら次のページに進むという学習方法が一般的だと思います。
おひさまでは(特に、言葉の理解に弱さがある子の場合)、出てきた言葉が本当に理解できているのか、正解以外の選択肢についても一つずつ確認します。
なぜかと言うと、これは○をつけて解答するだけなので、なんとなく正解できてしまう子もいるからです。つまり、正解できることと言葉の意味を本当に分かっているかは別問題ということです。語彙を広げる学習では、このような地道な学習がとても大切です。
言葉というのは果てしなく存在するため、「そんなのいちいち教えていられない」とおっしゃる気持ちもよく分かります。日常生活の中で教えようと思うと果てしないからこそ、宿題や教科書で出てきた言葉については丁寧に教えてあげることが大切なのです。
口頭の説明だけでは理解しづらい子も多いため、私の場合はパソコンで画像検索したものを見せながら説明します。また、使用するテキストによっては以下のような教材を自作し、ひとつひとつの言葉について、見て分かるよう細かく説明していきます。
言葉だけで説明するよりも分かりやすいため、子どもの食いつきも非常に良いです。家庭学習でこのような教材を作るのは現実的ではありませんが、スマホで画像を見せながら説明してあげることはできると思います。言葉の説明をする際は、画像検索を活用してみてくださいね。
臨床心理士・公認心理師 福原華奈
~パソコン教室作品紹介~
小学6年生がパソコン教室の中で作成した動画です。 「ゆっくりムービーメーカー」というソフトを使って、脚本からすべて自分で作り上げました。
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